ターゲットの絞り込みにより最大効果発揮

こんにちは!前回の投稿で「誰に売るのか」の重要性についてお話ししましたが覚えていますでしょうか?
顧客視点を持ち、誰に売るのかをしっかり考えることはマーケティング活動において非常に大切だというお話でしたね。しかし、ここで終わりではありません。
手当たり次第売るのではなく、効率よく売上を伸ばすためにターゲットに絞り込むことができれば、限られたリソースで最大の効果を発揮できます。
今回は、その具体的な手順を詳しく解説していきます。
ステップ1:ペルソナ設定の再確認

まずはじめに設定したターゲットペルソナを見直してみましょう。私のアパレルMD時代(レディースブランド)の場合を例にしてお話しをしていきます。
当初は「20代後半から〜30代の女性」と設定していました。しかし、これではターゲットが広すぎて具体的な施策が見えづらくなります。
ここで、さらに深掘りして「小学校入学前の子供がいる20代後半から30代の働く女性』という具体的なペルソナ像を設定してみましょう。さらに、この層の共通の課題として「通勤時のファッション選びに困っている」や「休日の外出着に悩んでいる」などのより具体的な項目も加え整理していきます。
そして例えば下記のようにターゲットを細分化していくことで、具体的な商品提案やコンテンツ企画が見えてくるのではないでしょうか。
- ターゲット層1: 通勤ファッションに悩むオフィスワーカー(週5日出勤、朝の時間がない)
- ターゲット層2: オンラインミーティングが増えたリモートワーカー(上半身の映えを重視)
- ターゲット層3: 休日の外出着を探している(アクティブなライフスタイル)
ステップ2:顧客セグメンテーションの手法
ターゲットを細分化し、次のステップとしては以下のようなセグメンテーション手法を活用します。
- デモグラフィック: 年齢(20代後半〜30代)、職業(オフィスワーカー、接客業など)、収入(年収300万〜500万円)
- サイコグラフィック: ファッションへの興味度(トレンド重視、機能性重視)、購買心理(セール好き、品質重視)
- 行動セグメンテーション: 購入方法(リアル店舗、ネットショップ)、購入頻度、ファッション情報入手方法(Instagram、TikTok)
- 地理的セグメンテーション: 都心部(通勤需要が高い)、郊外(休日需要が高い)
このように細分化することで、「働く女性」という大きな枠から「通勤時、休日外出時のファッションに困っている20代後半から30代の働く女性」といった具体的な像が見えてきます。
ステップ3:優先ターゲットの選定
具体的な顧客像が見えてきたところで優先順位をつけることが重要です。取り組む順番を決めることで効率的なアプローチが可能になります。また、不必要な取り組みを見直すキッカケにもなります。
具体的な選定方法としては、以下のような視点が挙げられます。
【既存顧客の選定方法】
- 購入頻度: 過去の購入履歴から、定期的に購入している顧客層を抽出する。
- 購入金額: 一度の購入金額が高い顧客層はリピート購入の可能性が高い。
- 成長ポテンシャル: Instagramのフォロワー数が多い顧客は潜在的なインフルエンサーとして活用できる可能性がある。
ここで新規の顧客取り込みについても触れていきたいと思います。これまでのステップのなかでターゲットとなる情報が改めて整理されたのではないでしょうか。すると、その情報を分析することにより、見落としていた層があったりするなど、課題が明確化されてくるのです。
今回例に挙げた私の経験ではターゲットが「働く女性」であったので、視点が「通勤着」に偏ってしまっており「仕事以外の時に着る服」という部分が見落とされていました。この視点を取り込むことにより、実際の商品開発へと反映することができました。
既存顧客と新規顧客に対してのアプローチ方法は、たいていの場合は異なると思います。この3つのステップを踏むことによりマーケティング活動の効率化がなされるのです。
まとめ:再確認と次回予告
ターゲットの絞り込みは単なる顧客の分類作業ではありません。マーケティング活動を効率化し、リソースを集中投下するための重要なステップなのです。
ここまでお話しをした内容は現状のマーケティング活動においての行動が、非効率になっていないかを再確認するための前準備として捉えて頂ければと思います。
私も経験がありますが日々の業務のなかで、当たり前に実行していたことが、本当はとても非効率になっていたということは往々にして起こりえます。しかし、それが決して間違っているということではありません。
市場環境は常に変化しているもので、その変化にいかに対応するかが大切であるということです。定期的に見直しをかけて私達も進化していくことが必要であるということです。最後までお読み頂きありがとうございました。
二回にわたり「誰に売るのか」についえお話しをしてきました。次回は次の段階として、市場でどのような立場をとり、商品やサービスを提供することが望ましいのか、「ポジショニング」についてお話しをしたいと思います。